October 1, 2008

テーラー通いは楽しい

7月に来た会社の新人Aちゃんの影響で最初のサリーをオーダーしてから、テーラーに行って服をオーダーするのが趣味のひとつになった。インドではつるしの服よりもテーラーメイドの服のほうが一般的である。街の服屋さんに見えるショップの多くは実は布屋さんで、そこで買った布を持って自分でテーラーに行き、サルワール・カミーズなど、そろいの服を自分にぴったりのサイズと好みのデザインでオーダーするのである。布屋さんにテーラーが付属していることもある。テーラーはたいてい仕事が速くて、簡単なもので1日、ちょっとややこしいオーダーをしても1週間以内には仕上げてくれる。

サルワール・カミーズ(パンジャビ・スーツ)を作る場合、大体トップとボトムと首にかける長いスカーフ用の布が3点セットで「ドレス・マテリアル」として売っている。好きな柄の布を買ってテーラーに持っていくと、職人が全身のサイズを測って、トップのデザインをカタログから選ばせてくれる。なかなか手の込んだデザインがたくさんあるので試してみたいんだけれど、なかなか勇気が出なくていつもシンプルなものを選んでしまう。

サリー用の布は街中に売っているけれど、要注意なのは値段によって生地の質が見た目ではっきりわかるぐらい違うことである。私は800ルピーのおしゃれサリーと100ルピーの普段着サリーの両方を作ったけれど、100ルピーのサリーを会社に着ていったとき、ファッションにうるさい社員に「私は着ないけれどね」と言われた。安い化繊のサリーは労働者のサリーなのである。会社のお掃除のお姉さんは、普段着で100から200ルピーぐらいのサリーを着ている。

サリーの布を買ったら、その布に合わせたペチコートと、ブラウス用の布を調達してテーラーに行く。テーラーではサリーの布の端っこを処理して、体にぴったりのブラウスを作ってくれる。

先週の土曜日、初めてテーラーで洋服を注文してみた。これは会社の安ファッション仲間のDさんの影響である(とにかく影響されやすいたちなのだ。)Dさんはスーパー強気のアメリカ人で、その勢いとこだわりの強さのせいか、いつもすばらしい出来上がりのオーダー服を着て会社に来る。その彼女が最近洋服をオーダーしたというので私もまねしてなるべくファンシーな看板の出ているテーラーに行ってみた。テーラーに行くと、ミシンを操っている男の子がデザイナー兼オーナーのお姉さんを電話で呼んでくれた。お姉さんはポニーテールにサングラスを頭に引っ掛けた、いかにもおしゃれな感じの人である。

普段着用のシンプルなワンピースを作りたいんだけど、と言うと、お姉さんは「かんたんかんたん、まかせてちょうだい」と言って、あなたの肌に似合う色はこれとこれと…とよさそうな布をどんどん出して並べる。だいたいのイメージを言うと、「わかったわかった」とうなづいて、「デザイナーにまかせなさいって。何が似合うかちゃんとわかるんだから」となかなかたのもしい。「じゃ、よろしく」とお願いして店を出た。布と仕立賃をあわせて一着400ルピーぐらいだからなかなかよい。どんなものができてくるのか、かなりたのしみだ。

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