October 6, 2008

KIDNAPの無意味なセクシーシーン

イムラン・カーンとサンジェイ・ダッドが主演のサスペンス映画、KIDNAPを観に行った。イムラン・カーンは最近登場した若手で、人気俳優アミール・カーンの甥ということで注目を集めている、小柄で線の細い俳優である。サンジェイ・ダッドは中年のマフィア風悪顔俳優。

少年刑務所上がりのイムランが大企業の社長であるサンジェイ・ダットの娘を誘拐し、娘の命と引き換えにゲームを要求する、というストーリー。ある成金からお金を盗ませたり、昔の友人を刑務所から脱獄させたり、さまざまな要求をサンジェイ・ダットが娘を助けるために次々とこなしていく。ゲームをクリアするごとに謎のメッセージが犯人から届く。実は二人の間には因縁の過去があったことが次第に明らかになるのである。

逃亡するイムランを追いかけてサンジェイ・ダッドが工事中のビルの中を駆け回る長いシーンはスピーディーで迫力。お腹が出て、肝臓を完全にやられているらしい全身真っ赤の中年男がここまで跳べるものか、と真剣にはらはらどきどきして観ていた。

ひとつ問題なのは、誘拐された娘役の女優のセクシーダンスシーンがあまりにも唐突に始まることである。かなりシリアスなストーリーなのにもかかわらず、彼女の登場シーンでは、虜になっているという設定はお構いなしに、海や滝で水びたしになりながら踊ったり歌ったりする。どういうわけか着ている服も毎日変わり、ドレスだったりマイクロミニだったりやたらセクシーできれいな服を着ているので、いちいち「あれ?」と考えこんでしまって、話に入り込めない。インドでは映画に「入り込んで」観ている人はほとんどいないから、入り込もうと努力している私が悪いといえば悪いのだが。

細かい矛盾をいちいち突っ込んでいるようではまだインド的映画視聴法をマスターしているとはいえないなあと思いつつ、やっぱり突っ込まざるを得ない。しかし全体的に言えば、なかなか凝ったいい映画であった。

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