December 5, 2008

長い散歩

ムンバイに越してきてから1ヶ月ぐらい、毎朝ジョギングをしていたことがある。6月にモンスーンが来て、雨にぬれるのがいやでやめてしまった。それ以来は、散歩が私の唯一のエクササイズである。週末に、肩にカバンをかけてふらっと外に出る。どういうわけか、一度外に出るとなかなか帰って来れなくなって、気づくと5、6時間歩き回って夜になっているのがいつものパターンである。

家を出るときには、「鶏肉が食べたいから肉屋に行こう」などといった小さい目的がある。しかし、歩いていると、ついでに電気屋さんを回って最近どんな電化製品が出ているか見てみよう、というまったくどうでもいい仕事を思いつく。肉が腐るといけないから電気屋に先に行く。この辺から流れが変わってくる。

電気屋のある通りを巡っていると、どうしてもDVDショップの前を通るので、中をチェックしないわけにいかない。ときどき掘り出し物があるのだ。店頭の安いDVDを端から引っ張り出してタイトルを一枚一枚見て、「うん、新しいのは入ってないな」と結論する。前に買おうと思ってやめたDVDを数枚購入して、してまた歩き出す。

歩いていると、物乞いの女の子がついてきてなかなか離れないので、まくためにぐるぐるややこしいルートを回ることになる。一度なんか、その子に「ねえ、おばさん、さっきこの道通ったよ」と指摘された。君のせいでしょうが、と言いたい所だが通じないので、その辺の本屋に入って女の子があきらめるまで立ち読みしようと決める。しかし、本屋に入ってしまったらおしまいである。

本屋に入ると、最近入った面白そうな本がないか、棚を順番に眺めてしまう。やたらと時間がかかる。日本語の本だったらどんどん背表紙を飛ばし読みできるけれど、英語の本だといちいちタイトルを熟読しないと何の本なのかわからないからだ。そんなことをしているうちに1時間ぐらいあっという間に過ぎている。

店を出て、さて、と気を取り直したときには、目的の肉屋から遠く離れた場所に立っている。手には途中で買ったDVDと本の袋、水のボトルなどがぶら下がっていて、体はどっと疲れている。もう肉屋まで歩く元気がないので、しばらく立ち止まって一応悩むのだが、「うん、別に鶏肉なんか今日無理に食べなくたっていいじゃないか」と言う話になってそのままうちに帰る。家につくころには日が落ちている。

こんな意味からかけはなれた生活を続けていて本当に大丈夫なのか、と時々心配にならないでもない。せめて鶏肉を食べたかったなら肉を買って帰れよ、と自分を戒める自分がいないのである。このままいくと、どんどんアホになっていってしまうのだろうか。ふーむ。

1 comment:

  1. 我が家も週末は良く散歩しますが、大通りを渡るのが嫌/苦手なので、Bandra Westに住んでいる我々は、Linking Roadの西側に出没することが多いです。暑いし、結構な運動量かなあ、と自分では思ってますが。

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