December 22, 2008

野心を語る男たち

あんまりこういうことを言うのは気が引けるのだが、そこをあえて言ってみると、私は「自分の野心を語る男の姿」が大の苦手である。誰かが「俺の野心」の話をし始めると、脳が拒絶反応を起こしてしまう。耳栓をして話題が代わるまでじっと耐えている。

夢や野心をもつのはいいし、人の夢の話を聞くのも嫌いではない。しかし、「野心がある男、僕はスゴイ」という前提が話し手の目の奥にキラッと光ったときがもう駄目である。にんげん、「人に尊敬されたい」と自分で思ったらおしまいである。そして、かなりの率の男性が判で押したようにこれをどこかでやる。そういうのを見てかわいいと笑えないところは自分もオトナ気ないなぁ、と反省するんだけれども、どうしても癇に障ってしょうがないのである。

私は男ばっかりの家族・親戚の中で育ったので、女の子一人でちやほやされた部分もあったのだが、不愉快な経験をした経験もかなり多い。男の子たちが外でぎゃあぎゃあ遊んでいるときに、一人だけ大人の手伝いをしてお茶をくんだり男衆にお酒を注いだり、おじさんたちのえらぶったいやらしい薀蓄を聞かされたり。このような不幸な体験の結果として、私は思想的にはややフェミニスト的なところがある。古いと言われれば古いかもしれないが、それにしても俺はエライ武士でおんな子どもを守るのが仕事だ、と思っている現代男性は一向に減らないのはどういうわけか。非常に不気味である。

というわけで、私は幕末に生まれなくてよかった、とNHKドラマ「新撰組」を見ながら毎回ほっとしている。幕末は現代の世よりも野心語り男の率が爆発的に多いはずだからだ。しかしそれは別として、「新撰組」はかなり面白い。

リアルタイムでドラマを見ていた人にとっては「いまさら何いってんの?」という感じかもしれないが、私は最近になって、会社で一緒に働いている日本人の方に完全版DVDを借りて毎日1本のペースで鑑賞しはじめた。日本の歴史がさっぱり頭に入ってないので、新撰組がなにをやるのか、これからどうなるのか全くわからない。だから毎回ハラハラドキドキである。

今、メンバーが京都にあがって「壬生浪士組」を作って活動し始めて、芹沢鴨がめちゃくちゃに暴れているところである。鴨がこれからどうなるのかが、今の私の最大の関心事である。

2 comments:

  1. そうか、幼少時代の経験が好みの傾向につながるのね。私のとこは完全に女系家族なので、我慢のできないタイプは女性に多いです。なんだ、そう考えると仕方ないなって気がする。ココロが狭いなと自分に思ってたんですが、もういいやって気分になってきました(ダメか)

    ReplyDelete
  2. ふーむ、なるほど。女系家族だとそうなるのかもねぇ。
    私は「女なんだからちゃんと料理ぐらいできるようになれよ」、「女らしくしろよ」などとうんざりするぐらい言われてきたので、男性でえばっている人を見るとついつい、女性でえばっている人の10倍ぐらい頭にくるのです。「お前がやれよ」と。

    ReplyDelete