April 20, 2009

ヤギ・・・・・・・の肉

このあいだ近所のレストランで食べたマトン・カレー(正確にはゴート・カレー)が非常においしかったので、マトンを使った料理にチャレンジしてみることにした。ちなみにちょっとややこしいのですが、インドで「マトン」といったら「ゴート」、つまりヤギの肉のことです。マトンといったら普通、羊の肉のことだと思うのだけれど、どういうわけかインドではヤギ肉のことをマトンと呼ぶ。

なんで?と今隣にいる上司に聞いてみたところ、「ふーむ、でもマトンって英語だしなあ。もともとインドの現地語じゃないわけだし、イギリスから来た呼び方だからねえ。他の国はどうなのかなあ、アメリカでもあんまりマトンって食べないしねえ・・・」と、一応親切で議論に付き合ってくれたが、暗に「俺は知らない、他を当たってくれ」というメッセージがこめられていたようであった。どなたか知っている人があったら教えてください。

ということで、スーパーで骨なしヤギ肉のぶつ切りを買って、まずは家に常備してあったポートワインで煮てみた。ワイン煮にしようとおもったのだがワインがなかったのでポートワインを使ったのだ。ちょっと甘いぐらい関係ねえだろ、といういつもどおりの省略・読み替え・仮説検証的料理方針である。30分煮てみた。野菜を投入してビーフシチュー風になったので、ライスを添えて盛り付けてみた。食べてみた。固い。食べられる固さではない。あきらめてナベに戻す。気づいてみると部屋中が獣の匂いでぷんぷんである。

何かがおかしい、と首をかしげて、エクスペリメンタル料理のことで頼りにしている兄に相談してみたところ、水から弱火で煮ればやわらかくなるらしい、という結論を得た。そこで、前日のワイン煮を「洗って」、水につけて消えるか消えないかの弱火で1時間ほど煮直してみた。15分ごとに肉を取り出して押してみては、「いや、まだ早い!」とナベに戻すのと繰り返したところ、肉がとうとうほろほろになった。そこで、大量の醤油としょうがと砂糖を投入して、佃煮風に味付けしてみた。これなら食べられる。

さらに、あまりにも味が濃いので赤米と一緒に炊飯器で煮て炊き込みご飯にしてみたらさらにおいしくなった。うーん、75%ぐらいで成功である。

しかし、ヤギの肉というのは実にまったりとしていて味が濃い。噛んで飲み込んだ後、舌に「ヤギ・・・・・・」という感じがいつまでも残る。だから普通より多い量の醤油を使って濃い味付けで煮込んでも肉の味のほうが勝ってしまう。レストランではたいていマトンはミンチにスパイスをふんだんに投入してケバブにして出しているが、あれがよく理解できる。あのまったりエキスを利用してうまく調理できたら、舌もとろけるシチューとかできそうなんだけれど。もうちょっと研究が必要なようである。

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