August 11, 2008

“Can They Afford You?”

2ヶ月ほど前、知人の日本人がインドを離れることになり、さよならパーティーに出席した。そのときに出会った日本人のビジネスマンと話していて、給料の話題になり、自分が現地採用の社員であると告げると、相手の方は目を丸くして、「それは…勇気がありますねぇ。いや、女性はすごいなぁ」と妙な感想を言った。女性がすごいかどうかは別として、現地採用の日本人と日本の企業からの駐在員とでは生活レベルにかなりの差があるのは確かである。

先日あった台湾人のビジネスマンにも、どの企業にお勤めですか、と聞かれてインドの中企業で名前は言っても分らないと思う、と答えると、「Really?」と言ったまま5秒ほど絶句して、「Can they afford you…?」と恐る恐る聞かれた。「うーん、Kind of」と言うしかなかった。こういうことは、どのレベルで話すかによって話が変わってくる。

私の暮らしは、だいたいインドの中流階級レベルの生活である。インドではまあお金がある内に入ると思う。あんまり贅沢はできないけれど、かといって暮らしに困ることはないし、少しは貯金もできる。パスタやパンを買うときには棚の全種類をチェックして1ルピーでも安いものをかごに入れるけれど、本やDVD、服など、ほしいものがあるとときどきは値段を考えずに買う、というふうに、ごく普通の生活である。

それでも日本に帰ると、物価の高さに愕然とすることになる。前回日本に数週間滞在したとき、名古屋の駅地下のオムライスが高くて食べられなかった。日本で暮らしていたときにも高いとは思ったけれど、高いからといって本気で食べるのをやめたのははじめてだった。インドに戻ったら一番安いオムライス一皿の値段で高級ホテルのランチビュッフェに行けると思ったら、店に入る気がしなくなったのである。

要はどの場所を基盤として生活を考えるかである。何かが起きて日本に帰国しなければならなくなることを考えると、貧乏はもちろん怖い。しかしそれはどこにいても同じである。あらゆるネガティヴな可能性を考えて慎重に暮らすよりは、何も起きないことに賭けて楽しくのんきに暮らしたいと思う。

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