October 4, 2008

おばさん、かもしれない。

ムンバイの道をふらふら歩いていると、スラムの子どもたちがときどき駆け寄ってきて「1ルピーちょうだい」とねだる。5人ぐらいの子どもの集団がおおはしゃぎでついてきて左右から「ちょうだいちょうだいちょうだい!」と小鳥の大群みたいに叫ぶときもあるし、一人の子が腕をつかんで延々とどこまでもついてくることもある。

最近気づいたのだが、注意深く聞いてみると彼らは「アンティ、1ルピーちょうだい」と言っている。アンティはヒンディ語で「おばさん」という意味だ。そうか、そうなのか、おばさんなのか、と軽くショックをうける。「1ルピー、持ってない」と返事をしながら子どもの顔をついじっくり眺めて、こんな小さい子から見たら私はすごいおばさんに見えるのかもしれない。いや、子どもが小さいからではなく、それが一般的な見解なのだろうか、とつい考え込んでしまう。わりとデリケートな年齢なのだ。

会社で隣に座っているマネージャーに、「ちょっと聞きたいんだけど、アンティっておばさんって意味だよね、他の意味はないよね」とためしに確認してみたら、「アンティはauntだね」という。「ただ、お姉ちゃん、という単語が他にあって、それはインド人の年齢の低い女の子に使う言葉だから・・・、君の場合は外国人だから、使い分けた結果としてアンティになったのかもしれないよ」と、いちおう慰めてくれたがあまり説得力がない。

まあ、しょうがないけどさ、とぶつぶつ言いつつ、「アンティ」と呼ばれるたびに「ああ、やっぱりアンティか、そうか」といちいち自己確認するみたいでなんだかちょっと切ない。

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