June 18, 2009

インドは暮らしやすいか?

先日、日本の地方のラジオ番組の生放送10分コーナーで電話インタビューを受けた。スラムドック・ミリオネアの影響でインドを特集することになり、ムンバイに在住している人のブログを探したらしい。

インドのよさを人に伝えるのは難しい。いわゆる面白いことを語ろうとすれば、必然的に衝撃的な出来事を語ることになってしまい、「うーん、それは大変ですねえ」という印象を与える不本意な結果になってしまう。かといって、暮らしやすいです、楽です、といえばこれはウソになる。

ラジオでも、最初に「どうですか、インドは日本人にとって住みやすいですか」と聞かれて、「うーん、あんまり住みやすいとはいえないかもしれませんねえ。好きな人は好きですけど、ダメな人にはダメみたいですね」と言ってしまい、あっという間に「インドは住みにくい国」という印象を与えてしまった。しかしそれが本当のところである。あんまりいいことばっかり言って、それを真に受けた人がたくさんインドに移住して、あの日本人嘘ついてたな、と後で恨まれてもイヤだし(そんなことはないだろうけど)。

実際、インドが住みにくいと感じる外国人は少なくない。みんな実に様々な問題に遭遇している。分類すると以下のような感じになると思う。

(1)環境問題: 暑い、豪雨、カビ、蚊、ゴキブリ、ネズミ、停電、断水、電車が来ない、その他
(2)人間関係問題: インドのビジネスのやり方についていけない、など
(3)お役所問題: 外国人登録、Visa書類手続き、などなど
(4)食糧問題: 和食が売ってない、韓国料理が売ってない、インド料理は辛い、などなど
(5)治安問題: 痴漢、ナンパ、詐欺、テロ、等

まあ、いろいろある。

いろいろあるとはいえ、ストレスの種類は日本にあるものとぜんぜん違う。もっと問題が可視的でフィジカルである。「あーもう、こんなことがあってあんなことがあって、もう!」と人についつい話したくなる種類のものが多い。だから、日本的ストレスにまいっている人には、けっこう新鮮でいいんじゃないかと私は思う。どこにいてもなにをやっていても、同じように大変だとしたら、まあ、大変さの種類ぐらいは自分で選びたい。

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