毎日やるはずのデータ分析をさぼっていることを上司に指摘された。私はいまいち数字が苦手なので、ついつい後回しにしてしまうのである。「何でやらないの?」というので、「うーん、ついつい忘れちゃって」と答えると、「じゃあブラウザのリンク機能を使いなさい」とアドバイスされた。
IEのブラウザについている「お気に入り」の「Links」フォルダにウェブページを登録すると、ブラウザを開けたときに重要なサイトのボタンがメニューに表示されるようになる。「これから、ブラウザを明けた瞬間に分析に使うサイトや重要なページを全部開いて、仕事中ずっと開けっ放しにしておくようにしなさい」という。
はいはい、とそのときは生返事をしていたのだけれど、一応言われたとおりにブラウザをカスタマイズしてリンクボタンを付けてみた。すると驚くべきことに、この数日で仕事のやりかたが見違えるほど変わった。
いままでは「さて、分析するか」と決心してからページを開いていたのだが、今は目の前のリンクボタンをポチッと押すだけだから、精神的なハードルが下がって、思いついたら一日に何回もページを開く。目の前にボタンがあるから、なんとなく手持ち無沙汰になるとボタンを押していることもある。そのおかげでデータを見ながら新しいアイディアを練るようになった。
変えるのは小さいこと、と悟った。それからは、小さきを変えてブレイクスルーを起こすネタを探すようにしている。
煮詰まっているときや追い込まれて抜け道が見つからないときには、何かドラスティックな変化を起こして状況をひっくり返したいという欲求が起こる。人は大きなものにまず目がいくから、「何が悪いんだろう」と考えたときに、もっと瑣末で重要なことには気づかずに、目に付きやすいことを変えようとする。
ホントは右にあるバナーを左に置くだけですむかもしれない。カーテンの色を変えるだけでよかったかもしれない。夜の紅茶を水に変えるだけで効いたかもしれない。でもそれに気づく前にウェブサイトのデザインをそっくり変えてイメージを一新しようとしたり、引越ししてみたり、安眠枕を買ってみたりしてしまう。
でも本当は、「新しいアイディア」は大きくなくていいのである。むしろ小さければ小さいほどすぐに変えられるから、結果もすぐに現れる。そして、努力と費用の大きさとその効果は必ずしも比例しない。知恵がものをいうのである。
April 4, 2009
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