July 13, 2009

雨が降ればよい

6月の半ばにモンスーンに入ってから、ムンバイは毎日雨が降っている。朝起きると家の中が薄暗く、空はいつもねずみ色に曇っている。この天気がこのまま9月の末まで続くのである。

2年前の7月は、陽子と二人でポワイ湖まで自転車でサイクリングに行った。ポワイまではタクシーで大体2時間ぐらいの距離である。走り始めてしばらくは晴天で、ランニングシャツで走っていた陽子の肩が直射日光でじりじりやけて、低温やけどになってしまった。走り始めてから2,3時間でたるをひっくり返したようなどしゃぶりになり、嵐の中を逆風に向かって自転車で駆け抜ける日本人たちという感じで道端のインド人たちの注目を集めたのを覚えている。あんなとんでもない体験をしたのは、中学校2年生のときに学校のキャンプで連れて行かれた明神山登山以来であった。

その後しばらくして、毎日雨が降って外に出られない鬱々とした状態を打破するべく、電車に乗ってダウンタウンに行き、オベロイ・トライデントの2,000ルピーもするブランチブュッフエランチを食べた。あれは本当においしかった。オベロイ・トライデントのブュッフエには和食のコーナーと大きなデザートのコーナーがある。それだけでなく、メニューに載っている料理は何でも注文できて、シャンパンなんか飲み放題なのだ。

夏が大好きな、以前一緒に働いていた会社の先輩は、「太陽がカーンと照ってるとうれしくなっちゃうんだよね」とよく言っていて、私はそのたびに「へー・・・そうかねえ~」と言っていた。私もお天気は大好きなのだが、どちらかというと普段低めのボルテージで暮らしているので、くもりや雨降りはなんとなくちょうどいい感じがして好ましい。「あー雨だし、遊びに行かなくていいや」とか「空も曇ってるしやる気が出なくてもしょうがないやね」というくらいが安心するのだ。

そんなわけで、毎日傘をもって、降ってはさし、やんではたたみ、ぼつぼつと散歩なんかしたり、朝雨の中を会社に向かったりするのは、やや楽しい。豪雨というのもまた気持ちいいものだ。モンスーンはなかなかいい。

2 comments:

  1. いやー、一年目のモンスーンはワイルドでしたねー。豪雨の中、何の面白みも情緒もない高速道路をひた走ってちょっとハイになったあの日。オベロイへ行くときは電車の中からすでに降りこむ雨で相当濡れてたよね。

    こっちはやっと梅雨も明けかけで夏本番っぽくなってきました。私も夏が大好きなのに、もうすぐインドのモンスーンへ逆戻り。あれは熱くて植物が全部枯れてからっからの夏を経験してからじゃないと、ありがたみが感じられないと思うんだけど。想像力を駆使してがんばります。

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  2. あのサイクリングの後命からがら家に帰ったら、Yokoがびしょびしょのまま酒屋に寄って、ビール瓶を抱えて登場したときには、この人の根性、底知れねえっ、と思ったよ。

    今年のモンスーンは特に初降りが遅れたせいでいつまでも暑くて、「早く始まらないと・・し・・・死ぬー」という気分だったから、雨が降ってうれしいね。YokoとNickと傘まだあるから新しいの買わなくていいよ。

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